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ここでは、体外受精と顕微授精にともなう危険性についてお話しさせて頂きます。 |
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| ●採卵前 |
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卵巣過剰刺激症候群
卵巣過剰刺激症候群は不妊治療において、FSH製剤やhMG製剤など排卵誘発剤を使用した際、卵巣が過剰に反応することによって、卵巣が腫大し、腹腔内に腹水が貯留した状態になることを言います。急激に腹水貯留が進行しますと血液濃縮が進み、脳梗塞等の障害を起こす危険性が出現します。
体外受精におきましては複数の卵子を採取することを目的に卵巣刺激を行いますので、軽度の卵巣過剰刺激症候群の状態にはなります。ただ、卵巣の反応は人によって異なりますので、予想以上に卵巣の反応が良かった場合は中等度から重症の卵巣過剰刺激症候群となり、腹水貯留が進行し入院管理が必要になる場合があります。
卵巣過剰刺激症候群は妊娠した場合悪化する傾向がありますので、卵巣刺激時〜採卵時〜胚移植時には問題なくても、妊娠後、入院管理が必要になる場合があります。
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| ●採卵時 |
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採卵による出血
膣内、腹腔内、皮下、膀胱内に出血する場合があります。出血の程度によっては手術によって止血しないといけない場合があります。出血量によっては輸血をしなければならない場合があります。
腹膜炎
採卵時の穿刺にて腹腔内感染を起こす場合があります。抗生剤の投与(内服や点滴)や入院管理が必要な場合があります。
腸管損傷
腹腔内に癒着などがある場合は腸管を傷つけてしまう危険性があります。腹膜炎の程度と腸管損傷の程度によっては開腹手術の可能性があります。
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| ●採卵後 |
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卵巣過剰刺激症候群
採卵前の所にも書きましたが、妊娠しますと卵巣過剰刺激症候群は悪化する傾向にありますので、妊娠反応の日、妊娠判定後の経過観察は必ず受診するようにしてください。
子宮外妊娠
子宮内に胚移植をするのになぜ子宮外妊娠になるのか疑問に思われる方がいらっしゃるとおもいますが、これは子宮の内膜や卵管は運動しているため、受精卵を子宮に戻しても、着床までの間に子宮腔内から卵管や腹腔内に移動する場合があるためだといわれています。一般的には体外受精・顕微授精の妊娠例100例中2〜5例に子宮外妊娠が発生するといわれています。
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| ●多胎の危険性と多胎予防 |
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体外受精や顕微授精治療では、一回あたりの妊娠率を高めるために、2個以上の受精卵(胚)を子宮に移植することが行われていますが、その結果は双子(双胎)以上の妊娠が成立する可能性も高くなります。府中のぞみクリニックでは、2個以上の受精卵を移植して妊娠した場合の5人に1人は双胎妊娠になっています。3個以上の移植ではさらに高い頻度で多胎妊娠が成立しますし(約30%)、時には品胎(三つ子)妊娠も成立します。多胎妊娠は妊娠中の母体の異常だけでなく、早産による未熟児の出生や児の異常などさまざまな問題が起きるので、できるだけ単胎妊娠になるように努めなければなりません。
現在、府中のぞみクリニックでは、子宮に移植する受精卵(胚)の数は2個以下に制限して、多胎妊娠の発生を防ぐようにしています(我々の研究では移植胚数を2個に制限しても3個の場合と差が無いことが明らかになりました)。
さらに、2個の移植でも多胎妊娠になる可能性の高い場合(我々は独自の基準を設けて症例の選択をしています)には、子宮に移植する受精卵(胚)の数を1個に制限しています(単一胚盤胞移植法)。
我々の基準で選択した症例において、移植胚数(胚盤胞数)を1個と2個の二群に分けてその妊娠結果を比較した研究結果を次に示します。
| 移植した胚盤胞数 |
1個 |
2個 |
| 治療周期数 |
41 |
54 |
| 妊娠(率) |
22(53.7%) |
25(46.3%) |
| 継続妊娠(率) |
15(36.6%) |
23(42.6%) |
| 単胎妊娠(率) |
15(100%) |
12(52.2%) |
| 双胎妊娠(率) |
0(0%) |
11(47.8%) |
選択した症例においては、移植胚数を1個に制限しても妊娠率は変わらず、多胎妊娠が予防できることが明らかとなりました。
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