検査・治療

ホーム  >  検査・治療  >  女性因子

女性因子

ここに述べた妊娠のメカニズムのどこかに異常を来すと、妊娠しにくい、妊娠しない、つまり、不妊症になると考えられます。

原因

さて、女性側の不妊症の原因ですが、大きく分けて以下のようです。

排卵障害(内分泌因子)

排卵障害

排卵が起こらないと言う事は卵子が卵巣から卵管へ移動できない訳ですから、当然、不妊症になります。排卵しにくい人、遅れる人は受精・妊娠のチャンスが少なくなるので当然妊娠はしにくくなります。(多くの女性は月に一度排卵があります。つまり、年に約12回排卵があり受精・妊娠のチャンスがあります)
また、排卵には多くの内分泌(ホルモン)因子が関わっていますので、それらのバランスが狂うと不妊症になります。


卵管通過障害

卵管は受精の場ですから、卵管の通過性がないと受精出来ません。片方の卵管が詰っている人や手術で切除している人は、通過性のない卵管側の卵巣から排卵した時は受精出来ませんので妊娠のチャンスが少なくなります。卵管は卵子や受精卵を運ぶ重要な役割があるので、通過性があっても、その卵管の機能が障害されている場合は不妊症になる可能性があります。

着床障害

着床のメカニズムは未だほとんど解明されていません。ただ、子宮内膜が異常に増殖したような場合や炎症で子宮の内腔に癒着がある場合は着床の妨げになり不妊症になります。
子宮奇形と言って、生まれつき子宮の形に異常のある場合がありますが、これに関しては多くの場合着床の妨げになると考えられていません。子宮筋腫や子宮腺筋症(子宮内膜症の一種)では着床障害が起こる場合があります。

頚管粘液分泌障害

膣内に射精された精子は頚管粘液の中を移動して膣内から子宮へと入っていきます。頚管粘液の分泌が悪いと膣内から子宮への第一関門を通過出来る精子が減る事になるので妊娠しにくくなります。
また、頚管粘液は分泌されていても何らかの原因で通過しにくくなる場合があります。

免疫性不妊

免疫性不妊

女性のなかには血液中に精子に対する抗体※ができる場合があります。その抗体が頚管粘液の中などに分泌されますと、受精の妨げになる場合があります。現在不妊症の原因となる抗精子抗体には「精子不動化抗体」と「精子凝集抗体」があると言われています。なかでも「精子不動化抗体」が陽性の患者さんは難治性の不妊症になる場合があります。

  • ※抗体:異物が体内に入ってきた時にその異物を排除するために作られる物で生体の防御機構のひとつです。

原因不明不妊症

種々の検査を行なっても、明らかな不妊の原因が判明しないもの。

婦人科疾患と関係した不妊症

子宮筋腫

子宮筋腫

子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍のことですが、筋腫のできている場所や大きさによっては不妊症の原因となります。
右の図で卵管を圧迫している(ア)や子宮の内膜の方に突出している(イ)のような筋腫が不妊の原因になります。
しかし(ウ)のような筋腫はほとんど妊娠に対する影響はありません。


子宮内膜症

子宮内膜症

子宮の内膜は本来、図の(ア)の場所にしか存在しないはずなのですが、子宮の筋層の中(イ)とか、卵巣の中(ウ)とか子宮と直腸の間(エ)および卵管内、卵管采周辺(オ)などの、本来は内膜があるべきではないところに増殖した状態を子宮内膜症といいます。
子宮内膜症では月経時にその場所で、わずかではありますが出血しますので、結果として癒着をひきおこします。またその場所は極度に充血しますので、ひどい生理痛をもたらします。
この子宮内膜症も卵子・精子の卵管通過障害および受精卵の子宮内膜への着床障害により、不妊の原因になるといわれています。また最近、内膜症組織より出る物質が受精そのものを阻止するともいわれています。ただし、子宮内膜症の方全てが不妊というわけではありません。


膣・頚管などの炎症

一般の細菌による膣炎があると精子は子宮内へ入りにくくなります。特に大腸菌のようなグラム陰性菌が増殖すると、菌が出す毒素で精子が止まってしまうことがわかっています。従って頚管粘液以外のおりものが多い場合は、膣分泌物の細菌検査を行います。
また最近、クラミジア感染症が増加している傾向にあります。クラミジアは性行為によって感染する病気で、女性の場合自覚症状はないことが多いのですが、子宮頚管炎や卵管炎をひきおこし、程度が強い場合は卵管閉鎖や癒着などによる卵管通過性障害をきたし、不妊となります。